中央クリニック

対策を知ればもうこわくない！わきがの予防・治療最前線

わきがの悩みがコンプレックスという方、傾向と対策を知ればニオイはもうこわくありません。わきがの予防方法や最新の治療方法を理解して、日々の悩みを少なくしましょう。

わきがというと根本的に治療しなければどうしようもないのではないかと思うかもしれませんが、日常生活のなかで手軽に導入できるわきが対策もあります。

そもそも、わきがのニオイの発生メカニズムは、アポクリン腺という汗腺から出た汗が皮膚表面の常在菌に分解・酸化される過程で発生するものです。したがって、「汗を残さない」「雑菌の繁殖を抑える」ができれば、ニオイの発生を抑えることができます。

汗が分解されるとニオイが生じますから、その前にわきの汗をこまめに拭き取ります。固く絞ったぬれタオルや使い捨ての汗拭きシートで拭き取れば、汗と合わせて雑菌や皮脂汚れもきれいにすることができて効果的です。無香料のものであれば、仕事中でも使いやすいでしょう。

抗菌・殺菌作用があって、わきがに効くデオドラント剤の使用も効果が期待できます。スプレータイプよりも、クリームやロールオンタイプなど肌に直接ぬるもののほうが持続が高いです。

わき毛があると汗がとどまったり湿気がこもりやすくなり、雑菌の繁殖を助けてしまいます。その対策として、わき毛を剃りましょう。男性は抵抗を感じるかもしれませんが、わき毛がなくなると乾燥しやすくなりますし、ニオイが少ないうちに発散しやすくなります。

わき毛を抜くことで毛穴に刺激となり、アポクリン腺が活発化する懸念がありますので、ローションなどを使ったうえでカミソリなどで剃ったほうがいいです。

わきのニオイは、汗を吸った衣服で雑菌が繁殖することでも発生します。服の素材によっては通気性が悪く汗をかきやすくなることがニオイの原因になることもあるでしょう。そのため、「通気性・速乾性のいい素材」「肌にぴったりすぎないサイズ」を選びたいものです。汗わきパッドも効果的だと思います。

加えて、アポクリン腺の活動をこれ以上活発化させないよう、食事にも気を遣うとベターです。動物性たんぱく質や脂肪の多い食事は控えて、野菜や魚などもバランスよくとりましょう。

「そうした対策を施してもニオイが改善しない」「ニオイが強くて追いつかない」といった場合は、根本治療を検討しましょう。有力な治療法の1つが、手術でアポクリン腺を除去することです。

アポクリン腺は誰にもありますが、数や大きさは人によって異なります。数が多い人、大きさが大きい人、働きが活発な人はニオイを生じやすいわきが体質といえます。それを完全に治すには、アポクリン腺自体を取り除くのが効果的というわけです。

手術の方法としては、医師が目視で部位を見ながら手術で切除する「直視下手術法」や「剪除法」、直接見るのではなく機械を使って手術する「非直視下手術法」、切開して吸引器具を差し込んで汗腺を吸い出す「吸引法」などがあります。

いずれも高い効果が期待でき、特に目視の除去や吸引ではほぼ確実にアポクリン腺を切除することが可能です。しかし、どれも皮膚の切開を伴いますので、回復には時間がかかります。傷あとも残りますし、場合によっては入院が必要なこともあるので、注意が必要です。

「手術はこわい」という方には、効果は少し下がりますが、手術よりも手軽に受けることができて安価な治療もあります。

「電気凝固法」はエステの脱毛で使われることが多い方法で、わきの毛穴に細い電極針を刺して高周波の電流を流し、毛根の細胞を熱で凝固させて、脱毛とアポクリン腺や皮脂腺の活動抑制を一度に実現します。通電技術の効果は上がっているようです。

「ボツリヌストキシン治療」は、美容外科のしわ取り施術によく使われている方法です。ボツリヌス菌の毒を無毒化した「ボツリヌストキシン」をわきの皮下に注入することで神経伝達物質の放出を抑え、汗の量を減らします。注射を打つだけの施術なので治療は短時間ですし、生活に制限もありません。

最新の治療方法が、皮膚を切らないレーザー治療です。アポクリン腺にレーザーを照射して、アポクリン腺を破壊します。治療費は、手術に比べて少し高くなりますが、皮膚を切開しないので傷も残りませんし、生活への影響も非常に少ないです。1回あたりの治療時間も30分程度ですみ、日帰りで治療できます。

皮膚を切り開いてアポクリン腺を取り除くのに比べると汗腺の抑制効果は低く、わきがの度合いが重度の場合は完全には対応できないことがあります。しかし、軽度の方であれば多くの方が効果を実感できるとされています。

ニオイで悩む方は、周囲の方への配慮でストレスがたまることが多いものです。しかし、そのストレスが発汗につながり、さらにニオイが生じてしまうこともあるでしょう。緊張してホルモンが放出されることで、皮脂の分泌が活発になることもあり、こんな悪循環に陥りがちですが、もう悩む必要はありません。

日常の対策や治療を行うことで、そうした気持ちを楽にすることができるようになります。そのほかにも、自分に合った気分転換方法を見つけて、ストレスをためないようにしましょう。